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免疫力の低下(風邪をひきやすい)

冬になると、「風邪をひきやすくなる」「のどが痛い」「熱が出やすい」「治りにくい」といった声を多く聞きます。
これは単なる偶然ではなく、冬という季節そのものが免疫を下げやすい条件をそろえているからです。

免疫力とは、体をウイルスや細菌から守る“防御システム”のこと。
この力が低下すると、風邪やインフルエンザ、さらには肌荒れや疲労、メンタルの不調まで現れます。
では、なぜ冬になると免疫が落ちやすいのか、その理由と対策を詳しく見ていきましょう。

◆冬に免疫が下がる主な原因

1.気温と湿度の低下

冬は空気が冷たく乾燥し、ウイルスが活動しやすい環境になります。
特に湿度が40%を下回ると、ウイルスの粒子は空気中で長く漂い、感染リスクが急上昇します。
同時に、乾燥した空気は「のどや鼻の粘膜」を乾かし、バリア機能を低下させます。

粘膜は体の第一防衛線。
その表面には「繊毛」と呼ばれる細い毛があり、侵入した異物を外に排出する働きを持っています。
ところが乾燥するとこの繊毛の動きが鈍くなり、ウイルスが侵入しやすくなるのです。

2.体温の低下

体温が1℃下がると、免疫力は30%前後も低下すると言われています。
寒さによって血流が悪くなると、白血球の動きが鈍り、ウイルスや細菌を排除する力が弱まります。
冷え性の人や屋外での活動が少ない人は、特に注意が必要です。

3.自律神経の乱れ

冬は寒暖差が激しく、屋外と室内の温度差が10℃以上になることもあります。
この急激な変化は、自律神経(交感神経と副交感神経)の切り替えを乱します。
自律神経は免疫システムを司る中枢でもあるため、乱れることで免疫の働きが不安定になります。

4.睡眠不足とストレス

冬は日照時間が短く、メラトニンやセロトニンといったホルモン分泌が乱れやすくなります。
これにより睡眠の質が低下し、体の回復力が落ちます。
また、年末の忙しさや仕事のプレッシャーによるストレスも免疫低下の大きな要因です。
ストレスがかかると、体は“戦闘モード”の交感神経が優位になり、免疫機能を抑制するコルチゾールというホルモンが増加します。

5.運動不足

寒い季節は外出が減り、体を動かす機会も少なくなります。
しかし運動は、血流を促して白血球を全身に巡らせる重要な要素。
動かないことで血流が滞り、免疫細胞の働きが弱まってしまいます。

◆免疫力が下がると起こるサイン

風邪をひきやすく治りにくい

のどや鼻の乾燥、痛み

口内炎・肌荒れが頻発

疲れやすい・倦怠感

食欲不振・便秘・下痢

気分の落ち込み

こうしたサインが続く場合、体が「免疫力が落ちています」とSOSを出している状態です。

◆冬の免疫力を高める生活習慣

1.体を温める(“温活”の徹底)

冷えは免疫低下の最大の敵。
特に「お腹」「首」「足首」を冷やさないよう意識しましょう。
腹巻き・レッグウォーマー・スヌードなどを活用し、入浴も毎日行うのが理想です。

入浴は38?40℃のぬるめのお湯に15分ほど浸かることで、血流が改善し、白血球の働きが活性化します。
また、体温が上がることでリラックス神経(副交感神経)が優位になり、免疫機能が整います。

2.バランスの取れた食事

免疫細胞の材料は「たんぱく質」。
肉・魚・卵・豆類をしっかり摂りましょう。
さらに、腸内環境を整えることも重要です。
腸には免疫細胞の約7割が集まっているため、善玉菌を増やす食材を積極的に摂るとよいでしょう。

おすすめの食材例:

発酵食品(味噌・ヨーグルト・納豆・ぬか漬け)

食物繊維(ごぼう・きのこ・海藻)

ビタミンC(ブロッコリー・みかん・キウイ)

ビタミンE(ナッツ類・かぼちゃ)

亜鉛(牡蠣・豚肉・レバー)

特に冬の旬野菜は「体を温めながら免疫を高める」ものが多く、理想的です。

3.睡眠の質を高める

眠っている間に分泌される成長ホルモンは、免疫細胞を修復・再生します。
そのため、睡眠不足は免疫低下を直結させます。
就寝前のスマホ使用を控え、部屋を暗くして、ぬるめの入浴で体温を整えてから眠るようにしましょう。

また、寝具を温かく保ち、湿度を50?60%にキープすることで、乾燥からのどや鼻を守ることも大切です。

4.適度な運動

激しい運動は逆に免疫を下げますが、軽い運動(ウォーキング・ストレッチ・ヨガなど)は血流を促進し、免疫力を高めます。
1日20?30分の軽い運動を週3回程度続けるだけでも効果が見られます。
ポイントは「汗ばむ程度」で無理をしないことです。

5.笑う・リラックスする

笑うと免疫細胞の一種「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」が活性化することがわかっています。
お気に入りの映画や音楽、ペットとの時間など、“楽しい”と思える時間を意識的に持ちましょう。
また、深呼吸やアロマなどで副交感神経を優位にすることも免疫強化につながります。

6.手洗い・うがい・加湿の徹底

基本的な感染予防も免疫維持の第一歩です。
外出後は石けんで20秒以上の手洗い、うがい、そしてマスクの着用を心がけましょう。
特に室内の湿度が40%を下回るとウイルスの感染力が増すため、加湿器や濡れタオルを使って湿度管理を行うことが大切です。

◆免疫を支える「心の状態」

免疫とメンタルは密接に関係しています。
ストレスや不安が続くと、交感神経の働きが優位になり、免疫細胞が抑制されます。
逆に、心が穏やかなときは副交感神経が活性化し、体が“修復モード”に入ります。

つまり、「心の安定」も立派な免疫ケアです。
無理をせず、好きな香りや音楽に包まれる時間を大切にすることが、結果的に病気に強い体を作ります。

◆まとめ

冬の免疫力低下は、冷え・乾燥・睡眠不足・ストレスという4つの要素が複雑に絡み合って起こります。
しかし、免疫は特別な薬でしか上げられないものではありません。
体を温め、よく眠り、よく笑い、バランスよく食べる。
この基本的な習慣を積み重ねることで、体は自然に「防御力」を取り戻します。

冬こそ、“体を守る力”を丁寧に育てる季節。
ウイルスに負けない体づくりは、日々の小さな習慣から始まります。